船の中のこと

夢をみる。


かなり頻繁に、ものすごく鮮やかで、現実と本気で区別がつかない。

明晰夢の話を聞いたことがあるが、それにもあてはまるところがある。

夢の中で私は意識がはっきりしていて、「現実の私は寝ている」ということを把握している。

だから例えばすごく暑くて不快な部屋にいる夢だったら、「ああ寝室がちょっと暑いのかな。窓を閉め切ってたしな。」と思ったりもする。

でもそれは自分のいる場所を「夢」としてコントロールしている、みたいな明晰夢の概念ともちょっと違う気がする。

なんというか、あちらがわ(夢)はあちらがわで現実として常に稼働していて、こっちとあっちを行き来しているのだけど、肉体を通じて部分的にリンクしている、という感じ。

でもこっちの自分が寝ている時しか、あちらがわには行けないのである。

だから寝ている間にあちらがわでのタスクを色々こなして、あちらがわでの生活を進めなくてはいけないので私は常に忙しい。


そんな夢の世界で、もう子どものときからずっとずっとずーーーっと出てくる場所がある。

それは巨大なコミュニティのような場所で、ものすごく広くてでも地球ではなくて、なにか乗り物のように移動し続けているんだけど、地球でいう船とか飛行機みたいな見た目とはちょっと違う。

大きな仮想現実が、丸ごと宇宙空間?を移動しているみたいな、そんな感じ。

私は子どもの頃からずっとそこに住んでいて、いつも同じ部屋にいた。

そこは巨大なシェアハウスみたいな複数の人が暮らす住空間で、共有スペースではヨガやダンスのレッスンのようなものが行われていたり、何かのレクチャーがされていたり、今思うと住居兼学校のようだった。

私はあまりにもずっとその同じ場所が鮮明に夢に出てくるので、いつも「私が過去に行ったことのある場所なのか?」と幼少期の記憶を振り返ってみては「いや、そんなはずはない、というかあんな場所が存在するとも思えない…。」と途方に暮れていた。

20代の頃に友達と一緒に暮らしたオーストラリアのウェアハウスやスイスのヒッピーコミュニティは近いものがあるけど、どれも違う場所であることが鮮明にわかる。
というかそういった場所に行くよりもっとずっと前から、その夢は続いていた。

私はいつからかずっとその場所を探していた。

こんなに鮮明に見続けているその場所が、実際に地球上のどこかにあって私はいつかそこに辿り着くために旅をしているんじゃないかという気がしていたのだ。

そこが乗り物かもしれない、と気付いたのは大分大人になってからだった。

ずっと自分の家だと思っていたその場所は、夢に出てくるたびに外のロケーションがなんだか違う。

同じ家だけど、毎回違う場所に移動しているのだ。
そしてその度に、人が流れて入ったり出たりしている。
港のような場所で休憩していることもあった。


少し前に知人のDJ Yumiiさんが全く同じような話をSNSに書いておられて、唖然とした。

Yumiiさんとお友達も同じような夢を見るそうで、おふたり曰くその場所は「母船」らしい。

(DJ Yumiiさんのブログ「夢との狭間で」)
(Yumiiさんのお友達ファンシーキュットンさんのブログ「どこまでも続く建物」)



そうか、私がいたのは船だったのか。

「私もずっと前からそこにいるんです」とコメントしようとしたが、「あれ、そもそも私はこの話を誰かにしてもいいんだっけ?」と急に怖いような変な気持ちになってやめた。


これを聞いても大体の人は「ああスピリチュアリティ云々の話ね」と嘲笑するだけかもしれない。

私は子どもの頃から見えないものと喋ったりしてしまう傾向があったので、母から「絶対外でそういうのは言っちゃダメ」と言われて育った。

祈祷師の娘で本人もメチャクチャ憑依体質だった母もまた、現実との折り合いをつけるのに苦労したのかもしれない。

しかし時代は変わって、2020年の今となってはこれはただの神秘性云々の話ではないのかもな、という気もしている。

日本政府は月面開発計画に参加しているようですが、地球外の世界が現実味を帯びるにつれて、人間が限界だと思っている世界をサクッと超える文化が存在してもおかしくないなと思う。

別の星にはテレパシーみたいに脳だけで交信できる生命体とかがいて、人間が寝ている間に情報を送り続けてるとかね。



今日は何か大きなフェスの中にいた。

あちらがわでは私は、その船?のような場所で働いていて、どうも最近は主に外から来る人の案内をしている。

仕事が終わって夜になると、男女何人かのグループでフェスに出かけた。

たぶん仕事の仲間なんだけど一緒に遊ぶのは初めてで、先輩ぽいメガネの落ち着いた感じの男の人と、中性的でミステリアスな感じの男の子、若い感じの後輩ぽいかわいい女の子。

他にも何人かいたけど、それぞれ思い思いにウロウロしている。

会場はすごく広くて、ちょうど日が暮れて音が鳴り出したけど私達はフロアに行かず、バーで飲み物を買って地べたに座って、タバコを吸ったり喋ったりしてる。

後輩の女の子はミステリアスのことをちょっと好きっぽくて、2人のやりとりを私は横目で眺めている。

先輩メガネは他のところから来た男友達と出くわして、「お腹すいたから屋台でなんか買って食べよう。ピザもいいけどクレープもいいな〜。」って英語で話し合っている。

後輩の女の子が飲み物を買いにいくかなんかでその場を離れて、私とミステリアスの2人きりになった。

ミステリアスは手に絆創膏をしていて、それがヨレて気持ち悪かったらしくピャピャッってめくって地面にポイと捨てた。

「あ!ゴミすてたでしょ!そういうの私ちゃんとみてるからね!!」と私が叱ると、「ハイハイ」とニコニコしながら絆創膏を拾ってポケットにしまう。

テキトーなんだけどなんだか憎めなくて笑ってしまう、なんかこいつがモテるのはわかる気がするぞ。


メガネと後輩を待っているあいだ、男の子が通りかかって「わー久しぶり!」とミステリアスにハグした。

2人の関係はよくわからないが、そのままキスして再会を喜んでいた。
ただの友達じゃなさそう。



いま後輩が帰ってこないといいのだが…。

そんなことを思ってそわそわしているうちに、気づいたら私は自分の寝室にいて、ここは地球で日本の朝6:00だった。