松坂くんのこと

なんで私がいま松坂桃李くんと同棲していないのかしら、と思う。

Quarantineが世界じゅうで流行してるけど、家にひとりでいるよりは松坂くんがいたほうがいいに決まってる。


松坂くんはかっこいい。

顔が。

いやでも顔だけじゃなくて、

好感度下がりそうなクセのある役を淡々とこなす、媚びない役者魂もすてき。


松阪くんは私とおなじ茅ヶ崎市出身らしい。

ひょっとしたら同じ中学だったりしないかしら。

あっでも松坂くんは私より4歳下だから、きっと学校では会ってないのね。

だいじょうぶ、私の守備範囲は上下10歳差までだから全然だいじょうぶ。



松坂くんがうちにいたら、きっと毎朝起きるのがもっと楽しみになる。

いや松坂くんが横に寝てるなら、夜眠りにつくのも楽しみね。



きっと松坂くんは料理が上手いし、キレイ好きだから1日2回掃除機をかける。

ハンドソープはAesopのやつを使ってて、タオルはいつもふかふかしている。

コーヒーにはこだわりがあって、毎日わたしのためにフェアトレードの豆を挽いてくれる。

親御さんを大事にする松坂くんは、毎日家族とビデオチャットで会話をする。

ペットのシュナウザーをブラッシングして、熱いコーヒーを飲み干し丁寧に新聞をたたむ。


くたっとしたオーガニックコットンの部屋着のまま洗濯を済ませ、陽のあたるバルコニーで植物たちに水をやる。

松坂くんはとても優しいし要領がよくなんでもできるので、わたしの仕事をたまに手伝ってくれる。

編集者にも負けない校正スキルで、入稿前の納品物に怒涛の赤入れをする松坂くん。

松坂くんはWordpressも使えるので入稿までおまかせだ。

趣味が高じて画像編集もお手の物で、コーディングの知識もあるのでサイトの構築はぜんぶ松坂くんにお願いしようと思う。

実はバイリンガルだったことが明らかになった松坂くんは、私に代わって海外文献の翻訳もしてくれる。

松坂くんは几帳面なのでわたしのだらしなさを見ていられず、シュパシュパと領収書を整理していく。

今年の確定申告は松坂くんが終わらせたが、何をどうしたのか税金が30万円も戻ってきた。



先の見えない不安ばかりの世の中だけど、もしうちに松坂くんがいたなら。


私の終わらない仕事も、

気が遠くなる日々のタスクも、

松坂くんがいたなら…